“心と体が健やかにのびのびと育つ”ことを願い、幼児教育の専門家が、その研究の成果を実践するために、船橋市に昭和46年に健伸学院を設立しました。 中国の古書、詩経に「鳶は飛び魚は淵に躍る」とあります。あの大空を羽を大きく広げて雄々しく飛ぶ鳶、川の面を高くはねる鯉、あれは生命力の躍動です。
物の豊かさを最善の利益として生きてきた私たちは「人間に与えられた生きる力」「生命力」を失いかけています。
21世紀は、「科学と人間愛の調和の世紀」と云われます。美しい緑の地球環境の中で、一人一人の子どもが生命を躍動させ「人間らしく」生きる環境が、双葉の幼児期に保障されなければなりません。
子どもの視座にたって、子どもと共にある環境を配慮した時、子どもは目を輝かせて自分の意志で考え、発想し、創意工夫し、生き生きと遊びます。
健伸行田幼稚園は、家庭と地域の人々と共に子どもを見守りサポートする「一人一人の子どもの個性を育む広場」です。
乳幼児期は、人間の一生のうちで最も成長・発達の著しいときです。植物でたとえれば「双葉の発芽期」であり幹として育つ時期です。芽を大切に育てるためには、適切な「水と土と太陽」が必要です。
「一人一人の個性と特性」を大切に見守り受けとめ、つつみこむ「愛護」とともに、「厳しさ」にも耐える力を育てる必要もあります。
自分のことは自分でする。友だちを傷つけたり、迷惑をかけない。友だちと協力する。
自分軸を確立すると共に、友と関わり共感し協調する力もこの幼児期に培われます。目で耳で肌で感じたことを心にイメージして表現する「感性の芽」もこの幼児期に膨らみます。
心の芽、感性の芽の育ちを子どもらしさとして受容して、正しく大切に育ていく私たち保育者の豊かな感性も大切です。子どもの感性が大きく豊かにファンタジックに育っていく環境を大切にしていきます。
本園は、「健康面のたくましさと心の優しさの調和」した健康教育を柱とした教育課程に沿ったカリキュラムを基に、教育実践をしています。
(1) “あそびを忘れた子どもたち”と言われてから久しくなります。現代の子どもは、決して遊びができないもやしっ子ではありません。体質的に弱くなったわけでもないと思います。あそべる環境が少なく、群れてあそぶ仲間が少なくなったようです。 私たちは、子どもたちに4間、「時間」「空間」「仲間」そして、友だちとかかわる「間」の豊かさを保障する環境を保障しています。
(2) あそびも、勉強も、すべて中途半端で無気力な “しかたがないからやる…主義” 型の子どもたちが増えています。自分の意志で、自分の身体でいろいろな事物に接し、体験・学習することが必要です。
しかし、現実は、子ども一人で部屋の中で隔離され、テレビゲーム、テレビ等で過ごす機会が多いようです。昔のようにとんぼとりや魚釣りに出かける経験はなくなってきています。
自然の環境の中で、身体を駆使してエネルギッシュにあそぶ体験を通して、考え、イメージして表現する力、創造し工夫する「学習する力」が育ちます。 この子どもの遊びを保障する環境づくりこそ、私どもが、実践し続けている課題です。
2017 健伸行田幼稚園